俺、実は暗黒魔界から蘇った無敵の黒騎士なんだ

今まで黙ってて悪かった。
真実を話そう。

俺がこの世界に来たのは、4年前の今日。

暗黒魔界でいつも通りダーク・モンスターを退治していたら、突然、異次元ゲートが現れて、俺は不覚にも吸い込まれてしまったんだ。
そして、気づいたら富士山麓の樹海に横たわっていたんだ。

それから樹海から出るのに苦労したよ。なんたって樹海だからね。右も左も分からない。無敵の黒騎士の俺様が白骨として見つかるような未来のビジョンが見え始めたころ、ようやくコンクリートの道路が見えたんだ。すかさずヒッチハイクをして、黄色のランボルギーニが通りかかり、優しいジャパニーズ・マフィアが俺を町まで乗せていってくれたんだ。でもそこはやっぱりジャパニーズ・マフィア。タダでは降ろしてくれなかった。だから俺は仕方なく、装備していたダークナイトアーマーとダークナイトブーツをくれてやったよ。

で、もちろんこの世界の通貨なんて持ってなかったから、俺の暗黒剣アポカリプスを質屋に売り払うことにした。ダーク・ダイヤモンドで特別に造られたエレガントな暗黒剣だったのに、質屋のオッサンは3500円でしか買ってくれなかった。しかし、寛大な俺様は妥協してやったよ。

まず3500円は手に入った。それで近くのミニストップでチョコチップメロンパンとカフェオレとヤングマガジンを買った。店を出ると、小学生が寄ってきて、「おっ！ヤングマガジン持ってるじゃん！このギラファノコギリクワガタと交換しようぜ！」と言って、俺のヤンマガとなんとかクワガタを無理矢理交換しやがった。で、チョコチップメロンパンを食いながらブラブラしていると、今度はピザなオタクが寄ってきて、「そ、それは！ギラファノコギリクワガタでござるね！拙者のハルヒフィギュアと交換してほしいでござる！デュフフフ」とかホザいて、やっぱり寛大な俺様は交換してあげた。で、次は、ナチュラルブラウンのチャラ男が寄ってきて、「チョリーッス、ちょ、マジそれハルヒフィギュアじゃね？このパイソン革ベルトとチェンジしようぜ？な？」

結果的に、わらしべ理論により、
現在、俺は大邸宅に住んでいる。メイドも執事もいるんだぜ。すげーだろ。


というビッグスケールなエイプリル・ストーリーを考えていた。

NOT TO BE CONTINUED...